SAP FIモジュール入門Webテキスト

SAP FI(Financial Accounting:財務会計)は、 SAP ERPにおいて企業の財務会計を管理する主要モジュールです。 仕訳・会計伝票、総勘定元帳、売掛金、買掛金、固定資産など、 企業の会計業務を幅広く管理します。

このWebテキストでは、SAP FIの基本から、 FI-GL(総勘定元帳)、FI-AP(債務管理)、 FI-AR(債権管理)、FI-AA(固定資産管理)、 会計伝票、会社コード、勘定科目、マスタデータ、 さらにS/4HANA環境におけるFIのデータ構造まで、 初心者向けに体系的に学習できます。

SAP FIとは?

SAP FIは、企業の財務会計を管理するSAPの主要モジュールです。 会計伝票を中心に、総勘定元帳、債権、債務、固定資産などの 会計情報を一元的に管理します。

FI-GLとは

総勘定元帳を管理する領域です。

FI-APとは

仕入先への支払や買掛金など、債務を管理する領域です。

FI-ARとは

得意先からの入金や売掛金など、債権を管理する領域です。

FI-AAとは

固定資産の取得、減価償却、売却などを管理する領域です。

SAP FIの学習ロードマップ

  1. STEP 1:FIモジュールの概要を理解する
  2. STEP 2:財務会計の主要プロセスを学ぶ
  3. STEP 3:会社コードなどの組織構造を理解する
  4. STEP 4:会計伝票の登録・照会・消込を学ぶ
  5. STEP 5:勘定コード・資産・BPなどのマスタを学ぶ
  6. STEP 6:S/4HANAのFIデータ構造を理解する

よく読まれるSAP FI基礎テーマ

SAP FIを学ぶうえで特に重要なテーマをまとめています。 FIの基本概念、各サブモジュール、会計伝票、会社コードなど、 調べたいテーマから直接学習できます。

SAP FIと他モジュールの関係

SAP FI(財務会計)は単独で動作するのではなく、 MM(購買・在庫管理)、SD(販売管理)、CO(管理会計)などの SAPモジュールと連携して企業の業務データを会計情報へ反映します。

FI × MM(購買・在庫管理)

MMで商品の仕入や入庫、請求書処理を行うと、 その取引内容に応じてFI側に会計伝票が生成されます。 購買業務と財務会計は密接に連携しています。

FI × SD(販売管理)

SDで受注・出荷・請求処理を行うと、 FI側では売掛金や売上などの会計情報として反映されます。 販売業務の結果が財務会計へ連携される仕組みです。

FI × CO(管理会計)

FIが主に企業外部向けの財務会計を扱うのに対し、 COは企業内部の原価や収益を分析・管理するためのモジュールです。 FIで発生した会計データはCOにも連携され、 原価管理や収益分析などに利用されます。

このようにSAP FIは、MM・SD・COなどの各モジュールから発生する 業務データを会計情報として集約する重要な役割を持っています。 SAP FIを理解する際には、会計機能だけでなく、 他モジュールとの連携もあわせて学ぶことが重要です。

S/4HANAでSAP FIはどう変わった?

SAP S/4HANAでは、従来のSAP ERPと比べて 財務会計データの持ち方が大きく簡素化され、 会計情報をより統合的に扱えるようになっています。

特に重要なのが、 Universal Journal(ユニバーサルジャーナル)です。 財務会計や管理会計などのデータを統合的に管理することで、 データの重複を減らし、リアルタイムな集計や分析を行いやすくしています。

Universal Journalとは?

Universal Journalは、S/4HANAにおける会計データ管理の中心となる考え方です。 従来は複数のテーブルに分かれて管理されていた会計情報を統合し、 財務会計と管理会計のデータをより一貫して扱えるようにします。

従来SAP ERPとの違い

従来のSAP ERPでは、用途ごとに複数の会計関連テーブルを参照する場面が多くありました。 S/4HANAではデータ構造が簡素化され、 会計情報をより直接的かつ高速に利用できるようになっています。

S/4HANA時代にFIを学ぶポイント

SAP FIの基本である会計伝票、会社コード、勘定科目、 FI-GL、FI-AP、FI-AR、FI-AAなどを理解したうえで、 S/4HANAのデータ構造やUniversal Journalの考え方を学ぶことが重要です。

S/4HANA全体の開発基礎については、 S/4HANA基礎Webテキスト もあわせてご覧ください。

SAP FIモジュール入門テキスト 目次

SAPモジュールの概要
  ERPとは
  SAPモジュールとは
  SAPモジュールの位置付け
  SAPモジュールの主要名称
  SAPモジュールの連携
   SAPモジュール間の連携(製品の注文~発注)
   SAPモジュール間の連携(入荷~支払)
   SAPモジュール間の連携(出荷~請求)

1章 FI(財務会計)モジュールの概要
1.1 FI(財務会計)モジュールの概要
  _1.1.1 はじめに
  _1.1.2 この資料におけるFIモジュールの範囲
  _1.1.3 FIモジュール単元の構成内容
1.2 FI(財務会計)モジュールとは
_1.2.1 FIモジュールの基本概念
_1.2.2 FIとCOの違いとは?
1.3 FI(財務会計)モジュールの主要機能
_1.3.1 FIにおける主要プロセス
_1.3.3 FI-AP(債務管理)
_1.3.4 FI-AR(債権管理)
_1.3.5 FI-AA(固定資産管理)
_1.3.2 FI-GL(総勘定元帳)
1.4 FIモジュールと他モジュールの連携

2章 FIにおける主要プロセス
2.1 FI(財務会計)における社外向けレポートとは
2.2 勘定科目について
  _2.2.1 貸借対照表(B/S)
  _2.2.2 貸借対照表(B/S)の例
  _2.2.3 損益計算書(P/L)
  _2.2.4 損益計算書(P/L)の例
  _2.2.5 勘定の分類方法
2.3 会計伝票転記:入金処理の一例
2.4 会計伝票転記:会社コードと償却表
2.5 会計伝票のステータス
2.6 決済
2.7 決済後の伝票明細とレポート
2.8 元伝票の起票~決済処理のデータフロー(従来)
2.9 元伝票の起票~決済処理のデータフロー(S/4 HANA)

3章 FIの組織構造
3.1 FIモジュールの組織単位
3.2 会社コード
3.3 事業領域
3.4 管理領域
3.5 セグメント
3.6 利益センタ
3.7 償却表/償却領域
3.8 組織構造の例:企業グループレベルの財務会計管理
3.9 組織構造の例:会社コードと償却表

4章 FIモジュールの伝票登録
4.1.会計伝票登録
  _4.1.1 会計伝票の登録
  _4.1.2 会計伝票の構造
  _4.1.3 会計伝票の事前登録情報:FI-GL(総勘定元帳)
  _4.1.4 会計伝票の事前登録情報:FI-AP(債務管理)
  _4.1.5 会計伝票の事前登録情報:FI-AR(債権管理)
  _4.1.6 会計伝票の事前登録情報:FI-AA(固定資産管理)
4.2.勘定残高照会
4.3.勘定明細照会
4.4.仕入先請求書伝票
4.5.仕入先明細照会
4.6.仕入先残高照会
4.7.得意先請求書伝票
4.8.得意先明細照会
4.9.得意先残高照会
4.10.消込転記
4.11.資産取得
4.12.資産残高一覧
4.13.減価償却一覧
4.14.償却記帳実行
4.15.資産売却

5章 FIの主要マスタ
5.1 FIのマスタデータ
5.2 FIで使われるマスタ
5.3 FIマスタ関連図
5.4 勘定コードマスタ
5.5 資産マスタ
5.6 BPマスタ
5.7 (従来型の)得意先マスタ
5.8 (従来型の)仕入先マスタ

6章 付録
6.1 FIのトランザクションコード
6.2 主要テーブル関連図(従来)
6.3 主要テーブル関連図(S/4 HANA)

SAP FIに関するよくある質問

SAP FIとは何ですか?

SAP FI(Financial Accounting:財務会計)は、 SAP ERPやSAP S/4HANAで企業の財務会計を管理する主要モジュールです。 総勘定元帳、売掛金、買掛金、固定資産、会計伝票などを管理し、 企業の財務情報を一元的に把握するために利用されます。

SAP FIとCOの違いは何ですか?

FIは主に企業外部向けの財務会計を扱い、 貸借対照表や損益計算書などの財務情報を管理します。 一方、CO(Controlling:管理会計)は、 企業内部の原価や収益、部門別・製品別の採算管理などに利用されます。 FIで発生した会計データがCOへ連携されるため、 両モジュールは密接に関係しています。

FI-GL・FI-AP・FI-AR・FI-AAの違いは何ですか?

SAP FIには複数の主要領域があります。 FI-GLは総勘定元帳、 FI-APは仕入先への支払や買掛金などの債務管理、 FI-ARは得意先からの入金や売掛金などの債権管理、 FI-AAは固定資産の取得・減価償却・売却などを管理します。 これらを組み合わせて企業全体の財務会計を管理します。

S/4HANAでもSAP FIは使われますか?

はい。SAP S/4HANAでもFIは重要な財務会計領域として利用されます。 ただし、S/4HANAでは Universal Journal(ユニバーサルジャーナル)を中心に 会計データの構造が簡素化・統合されています。 そのため、従来のFIの基本に加えて、 S/4HANAにおける会計データ構造の考え方も理解することが重要です。

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