導入の流れ
1.3 導入の流れ
はじめに
この章では、企業がどのようにERPパッケージを導入するのか、
また、どういった時にABAPで開発するのかみていきましょう。
プロジェクトとフェーズ
IT業界では、定められた期間で製品やサービスを創造するため、計画して遂行するものをプロジェクト(project)といいます。
また、SAP社のERPパッケージを企業に導入するプロジェクトでは、導入するまで2年、長ければ3年以上などの長い期間となります。
そのため、一般的にはプロジェクトをフェーズ(phase)に分け、管理することで、ゴールに着実に向かうことができます。
プロジェクトメンバー
SAP関連のプロジェクトでは色々な役割があり、それらに人がアサインされます。
どのような役割があるのかみてみましょう。
SAPならではの役割としては、
詳しくは『コンポーネント概要』にて説明いたしますが、SAPにはすでに様々な業務で利用できる標準機能が実装されており、その標準機能のみで対応可能かFit & Gapを行います。
対応できないものについては、
新規でアドオン開発を行い対応するかを確認する事となります。
(作成するもの):要件定義書、SAPパラメーター定義書
基本設計とは、複数のプログラムでひとつの機能を実現する設計のイメージ。
(作成するもの):基本設計書、画面設計書
また、詳細設計に基づき、プログラムを作成し、単体テストを行う役割
(作成するもの):詳細設計書、プログラム、単体テスト仕様書
他にも多くの担当者が、プロジェクトには存在する。
移行担当者
元利用していたシステムからSAPにマスタやデータを移行する
インフラ担当者
サーバー、ネットワーク、SAPインストールなどを行う
ユーザー教育担当者
新しい SAP の使い方を説明、マニュアル作成を行う
営業担当者
SAP ライセンスや要員調達を行う
プロジェクト要員計画
SAPのプロジェクトでは、様々な役割の人がアサインされる事は学びましたが
どのフェーズでアサインされるのか見ておきましょう。
プロジェクトマネージャー(PM)、プロジェクトリーダー(PL)は、
プロジェクトを管理するために、常に存在しますが、
フェーズにより増減は殆どありません。
一方、
コンサルタント、システムエンジニア(SE)、プログラマー(PG)は、
必要なフェーズのみアサインされ、大規模プロジェクトだと
プログラマーが数百人~千人にもなります。
いかがですか、企業がどのようにERPパッケージを導入するか
イメージできたでしょうか。