配列(リスト)の基本

7.1 配列(リスト)の基本

 今まで学んできた変数は1つのデータしか入れることができませんが、プログラムを行ううえで、一度にたくさんのデータを扱いたい場合がよくあります。例えば100件のデータを扱う場合を考えてみましょう。これまで学習してきた範囲で行なおうとすると、100件のデータを変数に記憶させて利用しなければなりません。

 このように変数を100個用意してプログラムを書くことはできますが、効率的とは言えません。書き間違える可能性が高くなったり複雑で読みにくくなったりと、少しずつ不都合が生じます。このような大量のデータをまとめて管理するには、「リスト(配列)」を使うのが便利です。  まずは配列とはどういうものなのか知ることから始めましょう。

7.1.1 リスト(配列)とは

 配列は「配列変数」を略した言い方で「変数を複数くっつけて並べたもの」を意味します。
  一方、リストは複数の値を扱うことができるデータ型を意味し、Pythonにおいて配列変数は便宜上、リストを意味することが多いです。
  今まで習ったデータ型の変数が「1つの箱を1つの名前で1つのデータ」しか扱えなかったのに対して、リスト(リスト型変数)は「複数の箱を1つの名前で複数のデータ」を扱えます。

図 7.1.1.1: 変数と配列変数のイメージ

 上の図から分かるように、さまざまな値をバラバラの変数として管理するよりも、配列として1つにまとめて管理できると大変わかりやすく便利です。
  配列は、いくつかの段がある収納ボックス、棚、タンスなどをイメージするとわかりやすいかもしれません。1段目にはタオル、2段目には肌着、3段目には・・・と、引き出しに整理してしまっておくことができます。
  配列は複数のデータがまとまったものですが、それぞれのデータのことを「要素(ようそ)」と呼びます。そして、各要素を識別するために、リスト(配列)内の各要素には先頭から順番に番号が振られており、この番号を添え字(インデックス番号)と呼びます。

7.1.2 配列の名前の付け方

 変数と同じように、配列にも命名規則があります。命名規則は変数と同じです。

配列の命名規則
 ・ 使用できる文字は「半角英数字」と「_(アンダーバー)」のみ利用できる。
 ・ 先頭文字に「数字」は利用できない。
 ・ 英字の大文字、小文字は「区別される」ので、1文字でも違えば同じ単語名でも利用できる。
 ・ Pythonで意味を持つ予約語(ifやforなど)ではないこと

ポイント

・ 配列に格納されているデータのことを要素、その要素を添え字(インデックス番号)で管理する。
・ 配列名には変数と同じ命名規則がある。

 次の節から具体的な配列の使い方を説明していきます。


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