勘定科目について

2.1 勘定科目について

1. 勘定科目について

会計伝票転記の為に必要なのが、「勘定科目」です。
勘定科目とは、取引の内容をわかりやすく分類するために使われる、簿記の科目のことです。
会計伝票を理解するために、まず勘定科目の基本概念について学んでおきましょう。

会社の取引による利益や費用が発生するにあたって、勘定科目を活用し、お金の流れを適切に分類して記録することができます。

勘定科目を使う目的は、以下のようなものがあります。

  • 財務諸表を作成する
  • 会社の取引で発生した費用を把握する
  • 売掛金・買掛金等の状況を把握する

では各勘定科目はどのように使われるかについてみていきます。
勘定科目は、 「資産」「負債」「純資産」 「収益」「費用」の5つで分類されます。

  • 貸借対照表(B/S)を構成するものは、「資産」「負債」「純資産」の3つです。
  • 損益計算書(P/L)を構成するものは、「収益」「費用」の2つです。

SAPの勘定科目で、毎日の取引を勘定科目で分類して記録することを「仕訳(しわけ)」といいます。
仕訳を行った取引は、帳簿に記載され、最終的に貸借対照表(B/S)や損益計算書(P/L)という財務諸表としてまとめられます。
勘定科目は、「BS/PL/その他」で分類され、さらに「統制勘定消込勘定/一般勘定/仮勘定」に分かれています。

貸借対照表(B/S)と損益計算書(P/L)

では勘定科目は、具体的に何を指していて、
貸借対照表(B/S)と損益計算書(P/L)はどのような違いがあるのでしょうか?
貸借対照表(B/S)や損益計算書(P/L)とに含まれる項目の具体例を用いて比較してみましょう。

まず貸借対照表の各項目には「資産」「負債」「純資産」があり、それぞれ売掛金、買掛金、資本金などが含まれます。
そして損益計算書には「収益」「費用」が含まれ、利益や仕入、給料、売上金などが含まれます。
借方は(り)で左、貸方は(し)で右と覚えると分かりやすく理解する方法もあります。

貸借対照表(B/S)の例

貸借対照表(B/S)は、会社が決算時において、どのくらいの財産を保有しているのかを表します。
実際貸借対照表の例を見てみましょう。

貸借対照表は、「資産の部」「負債の部」「純資産の部」の3つの部によって構成されています。
このうち、 「資産の部」が借方、「負債の部」、「純資産の部」は貸方になります。
貸借対照表においては、左側の「借方(お金の使い道)」と右側の「貸方(調達したお金)」が必ず一致するように記載することがポイントです。

損益計算書(P/L)の例

損益計算書(P/L)は、会社の一定期間の経営成績を表します。損益計算書の例を見てみましょう。

損益計算書は、

  1. 収益:上がった収益
  2. 費用:収益のうち、使った経費
  3. 利益:収益から費用を差し引いた金額

の3つの領域で構成されています。

売上総利益は、
【売上高-売上原価=売上総利益】
の計算式で求められます。

勘定の分類方法

もう少し詳しい内容に入り、下記の表を参考に、勘定の分類方法を見ていきましょう。
SAPでは勘定科目は、以下のようにいくつかの種類に分けられます。
勘定の分類にはBS、PL、その他とあって、
さらに細かいところで統制勘定、消込勘定、一般勘定、仮勘定に分かれています。

※通過勘定:本来の勘定に計上するために一時的に設定する勘定。
 (移行仮勘定、入庫請求仮勘定、ソフトウェア仮など)

勘定科目は法律で決まっているものではなく、社内で自由に設定することもできます。


NEXT>> 2.2 会計伝票転記:入金処理の一例