リスト以外の配列(辞書、タプル)

7.4 リスト以外の配列(辞書、タプル)

 Pythonにおける配列は、リスト型変数だけではありません。辞書と呼ばれる型の変数や、タプルと呼ばれる型の変数も配列として使用されます。

7.4.1 辞書

 リスト型変数では各要素の値を取得する際、各要素に自動で割り振られたインデックス番号を使って、リスト名[インデックス番号]と表記しました。
  一方、辞書型変数では、インデックス番号の代わりに独自の文字列のキーを変数の宣言時に指定し、各要素の値を取得する際には、各要素に指定したキーを使って、辞書名[キー]と表記します。

 1. 宣言方法

 辞書型変数を宣言する際には、キー名、コロン:、データの中身で各要素を表し、要素間はカンマ, で区切り、全体をなみ括弧{ }で囲います。

図 7.4.1.1:辞書型変数のイメージ図

 2. 各要素の出力

 またリスト型変数と同様、「辞書名[キー名]」で各要素の値が取得できます。

3. 値の追加(更新)

 辞書に新しく値を追加する場合は、キー名を用いて以下のような書式で行います。

 すでに同じキー名が存在する場合は、値が更新され、さもなければ新しい値が追加されます。

図 7.4.1.2:辞書型変数の追加更新

 4. 要素の削除

 辞書に新しく値を追加する場合は、リスト型変数と同様、メソッドを使用しますが、辞書型変数にはremoveメソッドは用意されておりません。
 辞書型変数では、要素削除するためのメソッドとして用意されたpopメソッドを使用して、要素の削除を行います。
 キー名を用いて以下のような書式で行います。

図 7.4.1.3:辞書の特定の要素を削除

7.4.2 タプル

 タプル型変数は、リスト型変数と同様、キー名を指定する必要がなく、インデックス番号を用いて各要素にアクセスできる配列ですが、リスト型変数と同様、appendのような追加メソッドや、removeやpopのような削除メソッドがありません。
 また要素の追加や削除、更新など基本的には要素の変更ができません。

 1. 宣言方法

タプル型変数を宣言する際には、各要素をカンマ, で区切り、丸括弧()で囲います。

図 7.4.2.1:辞書型変数のイメージ図

 2. 各要素の出力

またリスト型変数と同様、「タプル名[インデックス番号]」で各要素の値が取得できます。

ポイント

・ リスト同様、タプルには各要素にインデックス番号があり、「配列名[インデックス番号]」で各要素の値にアクセスできる。
・ タプルでは各要素の変更(追加や削除、値の更新)が基本的にはできない。


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