第12章 PHPとデータベースの連携

12.2 PHPとMariaDBデータベース

PHPでデータベースを利用するにはWebサーバのコンピュータ内に、データベースサーバがインストールされていることが前提になります。PHP5以降にはSQLiteと呼ばれるデータベースが標準で付属していますが、本章ではレンタルサーバで普及率の高いMariaDBサーバへの操作方法について学習していきます。また、当テキストで利用している環境のXAMPPにはMariaDBが初めから付属しているため、手順さえ分かればすぐに利用することができます。


図 12.2.1:データベースを含んだ開発環境

12.2.1 データベースを操作する手順について

PHPでMariaDBのデータベースを操作する場合、以下に示す手順が基本になります。③で発行するSQL文に応じてPHP側で行う処理が変わります。


図 12.2.2:データベース操作手順

12.2.2 MariaDB用の組み込み関数について

PHPには各データベース専用(MariaDB、SQLite、Oracle等)の組み込み関数が用意されています。前節の図12.2.2で示した手順をPHPで行う場合、以下に示す組み込み関数を利用して行うことになります。

①MariaDBサーバへ接続:mysqli_connect関数
②使用データベースを選択:mysqli_select_db関数
③SQL文の発行:mysqli_query関数
④検索結果情報の開放:mysqli_free_result関数
⑤MariaDBサーバ接続の切断:mysqli_close関数
その他:結果に対しての処理:mysqli_num_rows関数、mysqli_fetch_array関数
※上記は検索系のSQL文の結果と組み合わせて利用する関数です。

MariaDB用の組み込み関数は「mysqli_」が頭に必ず付いており、一目で分かるようになっています。その他にも色々な用途の関数が用意されていますが、最初に覚えるのは上記で示したもので十分です。他にどのような関数があるか気になる場合、関数リファレンス「http://www.php.net/manual/ja/ref.mysqli.php」を参照してみて下さい。

MariaDBへのアクセス方法

本項で取り上げた「mysqli関数」を利用する以外にも、データベースを抽象化した「PEAR::DBライブラリ」や「POD」を使ってもMariaDBにアクセスすることができます。
このようにPHPではデータベースに、アクセスするための方法がいくつも存在していますが、どの方法も一長一短があり、これを使えば間違いないという決定的なものはありません。
最も基本となる「mysqli関数」を理解できていれば、他の方法の学習を行っても応用が利くようになります。まずは基本をしっかり押さえてから他の方法を利用してみて下さい。

本項で紹介したmysqli関数は、12.4節からサンプルプログラムを交えて具体的にその使用方法について説明していきます。

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