第10章 便利な関数を使おう
10.2 組み込み関数の使い方
Pythonに初めから用意されている、組み込み関数を利用することで、わざわざ自分でプログラミングしなくても簡単に結果を得ることができるようになります。プログラムを作成する上で、大変便利な組み込み関数の使い方を本節で学習していきましょう。
10.2.1 Python標準ライブラリを知っておこう
Pythonの組み込み関数にはたくさんの種類があります。その中のどれを使ったら良いのか、またそれぞれの関数はどのように利用すれば良いのか、初めはよく分からないでしょう。その時に利用すると良いのが、Python公式ページに用意されている標準ライブラリページを活用しましょう。
こちらのページではPythonに含まれている組み込み関数の一覧、各組み込み関数の使い方について調べることができます。
以下の標準ライブラリページから、「組み込み関数」というリンクを辿ることで確認することができます。
●Python標準ライブラリのURL
図 10.2.1.1:Pythonライブラリ
10.2.1 引数と戻り値について
関数を取り扱う上で覚えておかないといけないキーワードがあり、それは「引数(ひきすう)」と「戻り値(もどりち)」です。
引数とは「関数に渡す入力情報」のことを指し、戻り値とは「関数から戻ってくる出力情報」のことを指しています。
書式
それを踏まえて当テキストを通じて何回か登場した「str関数」を例に説明を行います。
凡例
出力結果
文字列と数字の連結を行う上で、str型とint型をそのまま+演算子で連結することはできません。そのため事前に数字が格納された変数のデータ型をint型からstr型に変換する必要があり、そのためにstr関数を使用します。
str型関数を使い、引数にint型(整数値)の34を格納したnum1を指定することで、戻り値がstr型(文字列)の’ 34 ’が戻り値となり、num2に代入しているためnum2の値は、文字列の’34’です。
図 10.2.1.1 : str型関数のイメージ図
10.2.2 主な組み込み関数の紹介
関数リファレンスを見るとわかりますが、Pythonには多くの組み込み関数が用意されています。全て覚えるのはとても大変ですが、良く使われる主なカテゴリーの各組み込み関数を紹介していきます。
数学的な処理で使える関数
ランダム数値の取得や数学的な処理を行いたい場合に利用します。
表 10.2.1:主な数学的な処理で使える関数の一覧
データ型に関する関数
データ型の変換の際に使えます。
表 10.2.2:主なデータ型に関する関数の一覧
その他、よく使われる関数
その他、pythonでよく使われる関数を紹介します。
表 10.2.3:主なString関数の一覧
10.2.3 関数を使って動作するプログラム
上記の数学的関数で紹介したmax関数を使って、リスト型変数のscoreに含まれている値の最大値を取得し、出力します。
ソース・フォルダ:/Desktop/Python入門テキスト
ファイル名 :第10章.ipynb
アクセスURL :http://localhost:8888/notebooks/Desktop/Python入門テキスト/第10章.ipynb
➢ 第10章.ipynb/ 10.2.3 関数を使って動作するプログラム
score = [21,30,44,55,20] #scoreの中の最大値を取得 num = max(score) print(‘今年度の最高得点は’ + str(num) + ‘点です。’)
実行結果
解説
今回のプログラムでは以下で示している組み込み関数を利用しました。
関数に渡す情報のことを「引数」と呼び、関数から返って来る情報のことを「戻り値」と呼びます。
■max関数:リストの中の最大値を取得する
関数名 :max(引数)
引数:リスト型変数またはリスト型の値
戻り値 :リストに格納された各要素から最大値を取得する
2行目では、max関数の引数に指定するリスト型の変数scoreを用意しています。
5行目はmax関数を使って、scoreに含まれた要素の中から、一番大きい値を変数numに代入しています。
7行目ではstr型とint型の連結演算ができないため、変数numの値をstr関数によりint型からstr型へデータ型を変換した上で、変数numと文字列の連結演算した値を出力しています。
ポイント・Pythonには様々な用途に応じて使える組み込み関数が用意されている。
・組み込み関数は、標準ライブラリを利用することで、仕組みや使用方法などを調べることができる。