LANアーキテクチャ
LANアーキテクチャ
この節で勉強すること
この節ではLANの理解を深めるために
企業LANの構成でよく使われる「階層型ネットワーク」や、電源がない場所で電力供給するために必要な「PoE」について解説します。
階層型ネットワークの必要性
企業LANでは一般的に、階層型のネットワークの設計モデルで構築されます。
ただ闇雲にネットワーク機器を接続するのではなく、設計を目安に、階層ごとの役割や機能を明確にすることで、どの機器を設置すれば良いのかがわかるからです。
ネットワークの規模に応じて各機器との繋がりが複雑になるので、階層に分けることで目安が立てやすくなり構築が簡単になりますし、またきちんと構造化されていることで、障害が起きた時、原因を特定しやすくなります。
3階層ネットワーク設計
この階層型のネットワークでは、階層にはアクセス層、ディストリビューション層、コア層の3つの層が定義されており、3階層を使ったネットワークの設計を3階層ネットワーク(キャンパス)設計と呼びます。
各層のイメージ、役割はそれぞれ下記の通りです。
2階層ネットワーク設計
ネットワーク規模によって、3階層ではなく2階層ネットワークの設計モデルが適用されることもあります。2階層ネットワークの設計モデルは、小規模向けのネットワーク設計であり、アクセス層とディストリビューション層の2つで構成されます。
アクセス層は3階層の場合と同様、同じ役割を担いますが、ディストリビューション層は3階層ネットワークにおけるコア層とディストリビューション層の二つを混在させた役割を担うのが一般的です。
そのことから2階層ネットワーク設計におけるディストリビューション層を、 core(コア層)と collapsed(崩壊した)を取って、コラプストコアと呼びます。
PoEとは(Power over Ethernet)
POEの役割
オフィス内で企業LANを構築する上で、電源が届かない箇所にルータやスイッチ、IP電話などの機器が配置されることがあります。
このように電源がない場所にある機器に対して電力を供給するための技術としてPoEがあります。
PoE(Power over Ethernet)は、UTPケーブル(イーサネットケーブル)を介して電力を供給する技術であり、この技術を介して電力供給が難しい(電源がない)場所にある機器に対して電力を供給できます。
無線LANアクセスポイントやWEBカメラなどへの電力供給のために使用されることが多いです。
POEで使用する用語
PoEの環境下において、電源を供給する側とされる側を表す用語としてPSEとPDという用語があります。
PSE ( Power Sourcing Equipment )は、PoEの環境下で電力を供給する機器(PoEスイッチングハブ、PoEインジェクターなどがある)を指しており、PD (Powered Device)は、PoEの環境下で電力を供給される側のデバイスを指しています。
※厳密にはPDはイーサネットケーブルで電力供給できる、つまりはコンセントなしで給電し動作する機器のことです。