2.AI開発環境構築

概要

ここではPythonでAI開発を行う際にとても役立つ、色々なライブラリやフレームワークをインストールしておき、すぐに使える状態にしていきます。 フリーソフトウェアである「Anaconda」を利用すれば、環境設定はほとんど自動で行ってくれるので、初心者の方でも簡単です。

Step1. Anaconda Navigatorの起動

インストールを始めるために、Anaconda Navigatorを起動します。

本ページでは「Windows 64bit版」のAnacondaをインストールしたものとして進めています。

スタートメニューから「Anaconda3(64-bit)」を選択すると、
Anaconda Navigator(Anaconda3)」のメニューが表示されるのでクリックします。

Anaconda Navigatorが起動し、ログイン画面が表示されたら右上の「×」をクリックしログイン画面は閉じます。

Anaconda Navigatorが起動し、このような画面が表示された場合は、
不要なヘルプページを表示しないように、「NO, don’t show again」ボタンをクリックします。

これでAnaconda Navigatorの起動は完了です。

Step2. AI開発用仮想環境の作成

今後色々な開発を行っていくとなると、同じライブラリやフレームワークでも「複数のバージョンを使い分ける」必要が出てくるはずです。
Anacondaの「仮想環境」という機能を使えば、その環境の中のみ有効な状態でライブラリやフレームワークをインストールできるため、とても便利です。
ここでは、AI開発用の仮想環境を「ai_guide」という名前で作成し、その中にインストールしていくことにします。

画面左側にある「Environments」をクリックし、下の「Create」ボタンをクリックします。

仮想環境の設定画面が開くので、Nameを「ai_guide」に、
Packagesを「Python 3.7.16」にして、「Create」ボタンをクリックします。

しばらく待つと、このように「ai_guide」という項目が作成されます。
作成されたai_guideの「」をクリックし、「Open Terminal」ボタンをクリックします。

Windowsのコマンドプロンプトが開くので、先頭に「(ai_guide)」と表示されていることを確認します。

Step3. TensorFlowのインストール

pip install tensorflow==2.11.*」と入力し、キーボードの「Enter」キーを押します。
(数分時間がかかるため、画面が固まっているように見えることがあります)

再度入力を受け付ける状態となったことを確認し、
すぐ上に「Successfully installed …」というメッセージが表示されていれば、TensorFlowのインストールは完了です。

Step4. Flaskのインストール

pip install flask==2.2.5」と入力し、キーボードの「Enter」キーを押します。

Step5. icrawlerのインストール

pip install icrawler」と入力し、キーボードの「Enter」キーを押します。

Step6. beautifulsoup4のインストール

pip install beautifulsoup4」と入力し、キーボードの「Enter」キーを押します。

Step7. lxmlのインストール

pip install lxml」と入力し、キーボードの「Enter」キーを押します。

Step8. Pillowのインストール

pip install pillow==9.5.0」と入力し、キーボードの「Enter」キーを押します。

Step9. Scikit-learnのインストール

pip install scikit-learn==1.0.2」と入力し、キーボードの「Enter」キーを押します。

Step10. seabornのインストール

pip install seaborn==0.12.2」と入力し、キーボードの「Enter」キーを押します。

Step11. PyTorchのインストール

pip install torch==1.13.1+cpu torchvision==0.14.1+cpu torchaudio==0.13.1 --extra-index-url https://download.pytorch.org/whl/cpu」と(改行せずに)入力し、 キーボードの「Enter」キーを押します。

Step12. インストールされたバージョンの確認

一通りの作業が完了したら、実際にインストールされたバージョンを確認しておきます。

python」と入力し、キーボードの「Enter」キーを押します。
すると、コマンドプロンプトからPythonプログラムを入力・実行することができる状態になります。

import tensorflow as tf」と入力し、キーボードの「Enter」キーを押します。
続けて「tf.__version__」と入力し、「Enter」キーを押します。
すると、最後の行に現在インストールされているTensorflowのバージョンが表示されるので、
2.11.0」(※2.11.1など末尾の番号は違う場合があります)であることを確認します。

同様に下記のコマンドを入力し、バージョンが合っていることを確認します。

▼入力するコマンド
import flask
flask.__version__
import PIL
PIL.__version__
import sklearn
sklearn.__version__
import seaborn as sns
sns.__version__

▼確認するバージョン
flask.__version__ => 「2.2.5
PIL.__version__ => 「9.5.0
sklearn.__version__ => 「1.0.2
sns.__version__ => 「0.12.2

バージョンの確認が完了したら、「exit()」と入力し、
キーボードの「Enter」キーを押して、Pythonプログラムから抜けます。
(コマンドプロンプトも終了してしまって大丈夫です)

Step13. 仮想環境下に「Jupyter Notebook」「Orange 3」のインストール

本来、初期状態の環境(base)であればインストール済みであった「Jupyter Notebook」が、
今回利用する仮想環境(ai_guide)にはまだインストールされていないので、これからインストールしていきます。

再度「Anaconda Navigator」に戻り、画面左側の「Home」をクリックします。
Applications on」の項目が「ai_guide」となっていることを確認の上、「Jupyter Notebook」の「install」ボタンをクリックします。
(数分時間が掛かります)

途中「Update Application」の画面が出てきた場合は、「No, don’t show again」をクリックします。

同様に「Orange 3」の「install」ボタンをクリックします。
※こちらは通信環境により20~30分数分時間が掛かります
※もしインストールに失敗する場合は、無料版の「Microsoft C++ Build Tools」をインストールした後、
 base(root)の方の環境にOrange3(最新のバージョンでOKです)をインストールできるか試してください。

これでAI開発環境の構築は完了です。