FI(財務会計)モジュールの主要機能
1.3 FI(財務会計)モジュールの主要機能
FIにおける主要プロセス
FI(財務会計)モジュールの主な機能を担当するサブモジュールには、以下の4つがあります。
- FI-GL(総勘定元帳)
- FI-AP(債務管理)
- FI-AR(債権管理)
- FI-AA(固定資産管理)
ではFIの機能である、4つのサブモジュールの詳細についてみていきましょう。
FI-GL(総勘定元帳)
FI-GLは、総勘定元帳(General Ledger)の略称です。
総勘定元帳とは、簡単に言いますと、会社のすべての会計取引を記録するものです。
この取引には、商品の販売、購入の他にも、会社の備品の購入費、社員研修費用、社員の交通費、広告費などが含まれます。
つまり、総勘定元帳とは、企業が取引したお金のやり取りを勘定科目ごとに分類した会計帳簿であり、
企業は事業を運営する上で必ず作成をしなければいけません。
企業は期末に総勘定元帳を元に決算処理をし、B/S(貸借対照表)、P/L(損益計算書)などの
レポートを作成します。
この社外向けのレポートを用いて、企業内の経営状況を外部に提出することができます。
B/S(貸借対照表)、P/L(損益計算書)は、財務会計を理解するにあたって重要な概念の為、
FIの主要プロセス単元で補足します。
FI-AP(債務管理)
FI-APは、債務( Accounts Payable )の略称です。
債務とは、「お金を支払う義務」を意味します。
会社があるものやサービスを購入することにより、その費用を支払う義務が発生するのことです。
会社があらゆるものを購入すると、
購入したときのツケが、買掛金(費用のうち未払いのもの)として発生します。
この買掛金は、代金を後払いで支払う義務が買い入れ側に発生していることから、
貸借対照表上において「負債」にあたります。
債務管理モジュールでは、 MMモジュールと連動し、
仕入先ごとに債務残高の管理を行ったり、債務の支払・消込管理といった機能を担当します。
FI-AR(債権管理)
FI-ARは、債権( Accounts Receivables )の略称です。
債権とは、「お金をもらう権利」を意味します。
会社があるものやサービスを販売することにより、お客様からその費用をもらう権利が発生するのことです。
会社があらゆるものを販売すると、その売った金額が、売掛金(取引先から代金を受け取る権利があるお金)として発生します。
債権は、貸借対照表上において「資産」にあたります。
債権管理モジュールでは、 SDモジュールと連動し、売掛金等の債権に関する補助元帳の機能を有します。
得意先ごとに債権残高の管理を行ったり、債権の入金・消込管理といった機能を担当します。
FI-AA(固定資産管理)
FI-AAは、固定資産管理( Asset Accounting )の略称です。
固定資産管理とは、固定資産とは、長期間にわたって所有し、事業を行うために使用する資産です。
固定資産には、土地・建物・機械設備などの有形資産はもちろん、
ソフトウェアなどの無形資産など、現金化・費用化される資産を含みます。
固定資産管理の業務には、固定資産の取得、減価償却(※)、売却・除却などの取引の記録が含まれます。
※減価償却:設備取得などの費用を一定期間に配分すること
固定資産は、建物や土地など、すぐに購入するものではなく、実際所有するまで時間かかるものもあります。
このように、まだ固定資産として完成していないが、前払いの費用が発生するものについては、
「建設仮勘定」という勘定科目を使って費用を計上することができます。