Pythonの特徴
1.2 Pythonの特徴
ここまで、プログラミングはどのようなものかということや、Pythonのプログラム処理の流れなどを、大まかに説明してきました。
数多くあるプログラミング言語のなかでもPythonは大変人気があり、非常に幅広い分野で利用されていますが、それは、Pythonには他のプログラミング言語には無い独特の特徴があるからだと言えます。
これから、少しだけPythonの特徴について触れていきます。主な特徴をいくつか挙げていきますが、これらは今覚えなければならないものではありませんので、読み飛ばしていただいても結構です。
1. 手軽で簡単なスクリプト言語である
Pythonの一番の特徴は手軽さと習得が簡単な点でしょう。
文法がシンプルなため、他のプログラミング言語と比べ、コード量が少なく済みます。エラーが発生してもコンパイルし直す必要がなく、トライ&エラーがお手軽にできるため、プログラミング初心者にもハードルが低いと言われています。
2. OSに依存しない
OSとは、WindowsやMacなどのオペレーティングシステムのことです。
多くのプログラミング言語の場合、異なるOSで動作させるためには、環境に応じてプログラムを作り直す必要があり、とても手間がかかります。しかし、Pythonでは、WindowsやmacOS、Linuxなどよく使用されるプラットフォームで、同じように動作します。
つまり、あるOSで作ったプログラムを別のOS用に修正する手間が不要なのです。
3. マルチパラダイム言語である
プログラミング言語は、手続き型言語、関数型言語、オブジェクト指向型言語などに大きく分類できます。
● 手続き型言語:コンピューターへの指示を手順を追って示していく言語
● 関数型言語:関数(決められた仕組みや機能)を組み合わせる言語
● オブジェクト指向型言語:操作手順より操作対象に重点を置く(プログラムで扱う対象をモノとして扱う)言語
Pythonの特徴は、これらのプログラミングスタイルを組み合わせているところです。
4. ライブラリが豊富である
プログラミング言語の多くは、ライブラリ(特定のプログラムを作成するための道具のようなもの)を組み合わせながら開発を行います。
このライブラリの内容によって、開発可能なプログラムの内容が異なりますが、Pythonでは多種多様なライブラリがあり、標準ライブラリ(Pythonをインストールするだけで用意されるライブラリ)の内容も豊富です。
※ライブラリについて詳しくは「11章:ライブラリとモジュール(172ページ)」にて後述いたします。
また機械学習の開発環境において、Pythonが使用されることが多いのは、機械学習の開発に適したライブラリを使用することができるためです。