製造指図伝票
4.3 製造指図伝票
指図のステータス
SAPにおける指図(内部指図、製造指図)を理解するために、作業指図のいくつかのステータスについて理解しておきましょう。
ステータスは、作業指図の交渉または実行に関するオブジェクトのステータスに関する情報を提供します。
本テキストでは代表的な4つのステータスを中心に説明します。
①CRTD(作成済・Created)
オーダーが生成された状態で、生成されただけであり、
あくまで製造指図は予定段階ということを表し、実績計上ができない状態です。
②REL(リリース・Release)
REL(リリース)することで、製造指図に対して生産実績の計上が可能な状態になります。
この状態になってからは、金額を受け取ることが可能です。
③TECO(技術的完了・Technical Order Complete)
製造オーダーが完全に納品された場合で、指図の生産行為が完了された状態です。
この段階では、オーダーに対してこれ以上の商品移動を行うことはできなくなります。
④CLSD(完了・Closed)
精算完了後、作業指図が得意先側で不要になり、
得意先が作業指図を終了するためのレポートを使用して作業指図を完了する状態です。
製造指図伝票の登録
では引き続き、製造指図伝票の登録についてみていきましょう。
製造指図伝票とは、製造担当者に いつ・どの品目を・どこで・いくら生産するかという指示情報が載った伝票のことです。
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計画手配からの変換により、製造指図伝票を登録します。
- 入力時に計画手配のデータが提案されます(手配開始日、終了日、数量、プラント、保管場所など)
- 計画手配の変換方法には、①計画手配番号を指定する方法と、②対象期間の計画手配を一括で変換する方法があります。
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参照なしで、手動で製造指図伝票を登録することもできます。
- 品目、プラント、指図タイプ、生産数量、開始日付、終了日付などを指定する必要があります。
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製造指図が登録されたら、指図ステータス:CRTD(作成済)状態になっています。
その為、指図ステータスをCRTD(作成済)からREL(リリース)に変更する必要があります。
登録された製造指図伝票のステータスをリリース(REL)にすることで、後続の入出庫伝票の登録が可能になります。
製造指図伝票の構造
次は製造指図伝票の構造についてみていきましょう。
指図マスタデータ(AUFK)
PPを含む、SAPのすべての指図情報が登録されていて、指図カテゴリで分類されています。
製造指図伝票ヘッダ(AFKO)
生産品目、生産プラント、指図タイプ、日程計画、数量、BOM割当など、
指図番号に紐づくすべての情報が管理されています。
製造指図票明細(AFPO)
ある種ヘッダでもある3番目のテーブルにあたり、実績の情報が管理されています。
CO(管理会計)モジュールの 決済規則(COBRA)テーブル、決済規則配布規則(COBRB)
テーブルへ結合されます。
製造指図伝票の事前登録情報
製造指図伝票の登録にあたって、事前に以下のマスタやカスタマイズの登録・設定が必要です。
- マスタ
・品目マスタ(基本データ、購買管理データ、MRP/作業計画データ(、販売組織データ、会計データ))
・BOMマスタ
・作業区
・作業手順
・製造バージョン -
カスタマイズ
・会社コード
・プラント、保管場所
・MRPエリア