計算の基本

8.1 計算の基本

　プログラムで計算を行う場合の基本は、小学校で学んだ四則演算（足す、引く、掛ける、割る）と同じです。プログラミング独特の記述方法に気をつければ難しくはありません。

8.1.1 演算子について

　PHPでは「演算子（えんざんし）」と呼ばれる様々な計算、処理、操作を行えるものが用意されています。
　演算子にはいくつかの種類があり、5章で学習した変数に値を入れるための操作「=」をする「代入演算子」、本章で学習する足し算、掛け算やなどの計算を行う「算術演算子」、また、代入操作を簡単に記述できる「複合演算子」などがあります。
　ここでは計算を行うときに使う「算術演算子」を説明します。

8.1.2 四則演算を行うための算術演算子

　加減乗除（＋－×÷）の四則演算は小学校の算数で勉強しましたが、プログラミングの世界で四則演算に使われる記号の一部は算数とは異なり、また、これまであまり使わなかったような記号も使います。
　プログラムの計算を行う場合の記号を「算術演算子」と呼びます。プログラムで使用することの多い最も基本となる算術演算子の種類を以下の表8.1.1に示します。

表 8.1.1　算術演算子

　乗算と除算は数学の世界では「×」「÷」を使いますが、プログラミングでは「*」と「/」の演算子を使用します。また、余りを求める場合には「％」演算子を使います。

凡例：算術演算子で計算を行う

算術演算子を使用して四則演算を行うプログラム

　算術演算子を利用して様々な計算を行い、その結果のデータをWebブラウザに表示して確認してみましょう。

ソース・フォルダ：myproj_super_intro/ch08
ファイル名　　　　：calculation.php
アクセスURL　　 ：http://localhost/myproj_super_intro/ch08/calculation.php

➢ calculation.php

実行結果

解説

　2～6行目でいろいろな算術演算子を使って計算を行い、その計算結果を変数へ代入しています。
　これまでの学習では代入演算子「=」は数値、文字、変数の値をそのまま代入してきましたが、今回のプログラムのように、計算した結果の値を代入することもできます。代入演算子「=」の右側の計算部分を先に行うのもポイントになります。 　　　2： $data1 = 10 + 8;　　　//加算結果を変数へ
　　　3： $data2 = 10 - 8;　　　//減算結果を変数へ
　　　4： $data3 = 10 * 8;　　　//乗算結果を変数へ
　　　5： $data4 = 10 / 8;　　　//除算結果を変数へ
　　　6： $data5 = 10 % 8;　　　//剰余結果を変数へ代入

　■右側の計算を行った後に、計算結果を各変数へ代入

図 8.1.1　算術演算子を使った計算結果を変数へ代入

　14～18行目で計算結果の各変数の値を画面に表示しています。実行結果からも分かるように、正しく計算が行われた結果が変数に代入されているのが確認できます。 　　　14： echo "10 + 8 = " , $data1 , "<br>";
　　　15： echo "10 - 8 = " , $data2 , "<br>";
　　　16： echo "10 * 8 = " , $data3 , "<br>";
　　　17： echo "10 / 8 = " , $data4 , "<br>";
　　　18： echo "10 % 8 = " , $data5 , "<br>";

◉ポイント

・ プログラムで計算を行う場合は、算術演算子を利用する。

割り算の注意点
　プログラムの世界では「10 / 0」のように「0」で割ることができません。もし0で割り算を行ってしまうと画面にエラーメッセージが表示されてしまいます。プログラムでは行わないように注意してください。
　警告文例）Warning: Division by zero in ファイルの場所 on line エラーの行番号

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