第5章 変数とデータ型

5.2 データの種類について知ろう

プログラムでは様々なデータを扱いますが、そのデータには種類があります。そのデータの種類を「データ型」と呼びます。どのようなものなのかを具体的に説明していきます。

5.2.1 値という言葉について

皆さんも日常生活で様々なデータに触れていると思います。プログラムも、たくさんのデータを扱って動作します。プログラムで扱うデータには数字や文字などがあり、このようなデータを「値(あたい)」と呼びます。
日常生活では馴染みのない言葉かもしれませんが、プログラムの世界ではよく使われますの覚えておいて下さい。

5.2.2 データの型について

プログラムで扱うデータの種類を「データ型」と言います。単に、「型(かた)」と呼ばれる場合もあります。
データ型には以下の種類があります

表 5.2.1:データ型の一覧

整数型(integer:インテジャー)

整数の値を扱います。基本的に123、-456などいった値を使うと10進数として扱われます。また0から始まる数値0716のような値を使うと8進数、0x(数値のゼロと小文字の英字エックス)から始まる数値0xB7だと16進数として扱うことも可能です。

凡例:整数型

浮動小数点型(float:フロート/double:ダブル)

小数点付きの数値を扱います。

凡例:浮動小数点型

文字列型(string:ストリング)

文字が複数組み合わさったものを文字列といいます。文字列を表す方法にはいくつかありますが、これまでの学習で目にしてきた「'(シングルクォーテーション)」または「”(ダブルクォーテーション)」で囲まれたものが該当します。この両者には明確な違いがありますので、その詳しい説明は次の節で行います。

凡例:文字列型

論理型(boolean:ブーリアン)

真(しん)または偽(ぎ)のどちらかの値を表します。データの値は「true(トゥルー)」、「false(フォルス)」の2つのどちらかになります。またTRUE、FALSEとも全て大文字でも構いません。間違えて「’ ‘」または「” “」で囲むと文字列になってしまいますので注意してください。
この真偽値は条件判定した結果などの状態をみるときに利用されます。具体的な使い方は8章で行います。

凡例:論理型

ヌル型(NULL:ヌル)

配列型(array:アレイ)

1つの変数で複数の値をまとめて扱えるもののことを表します。この配列の説明は次の6章で詳しく行いますので、ここではこのような型があることだけまずは覚えておいて下さい。

変数の情報を確認するプログラム

色々なデータ型の変数を用意し、その情報をWebブラウザに表示して確認してみましょう。

ソース・フォルダー: myproj_intro/ch05
パッケージ: showType.php
アクセスURL:http://localhost/myproj_intro/ch05/showType.php

showType.php

実行結果

解説

このプログラムではecho文やprint文のような、PHPが備えている機能のvar_dumpを利用して変数の情報を確認します。
このvar_dumpは組み込み関数と呼ばれます。関数とはある機能を実現するために処理を1つにまとめたものです。この組み込み関数の仕組みについては後の11章で詳しく説明します。
まずは3~15行目で各データ型の変数を準備しています。

続いて23~27行目ではvar_dump関数を利用して各変数の情報を表示させています。実行結果を見ても分かるように、このvar_dump関数を利用するとecho文を使わなくても、変数を出力している行と、中に入っている値、およびそのデータの型をWebブラウザへ出力してくれます。

ポイント
  • 変数は代入した値で、データの型が決まる。
  • var_dump関数を使うと、変数の値とデータの型をWebブラウザへ出力してくれる。

値にはデータの型が決められていますが、PHPではそれほど気にすることはありません。他のプログラム言語(Java、Cなど)では型を決めて変数を作成するので、1つの変数には初めに決めた型のデータしか入りません。PHPでは入れたデータによって変数の型が決まりますので、どんなデータの値でも自由に出し入れができます。
データの型を気にしないといけない場合も出てきますが、それは後の9章で紹介致します。

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