状況別、経路選択の方法

ルーティングテーブルに宛先の経路が記載されていない場合、どのように経路選択すればよいのでしょうか？

①パケットを破棄する、または②デフォルトルートに転送する、以上の2 つのどちらかの処理を行います。

まずデフォルトルートが設定されていない場合、ルーティングテーブルに宛先の経路が記載されていなければ、パケットは破棄されます。

この場合、破棄されたままでは困るので、エラー情報を始め通信状況を知らせるためのICMPを介して
到達不能のメッセージが、送信元へ届きます。

一方、デフォルトルートが設定されている場合、パケットは破棄されることはありません。

デフォルトルートは該当の宛先の経路情報がなかった場合に転送される経路情報です。

次節で解説しますが、ルータは特定の宛先に対して手動で経路情報(スタティックルート)を記録させることができます。

しかし、全ての宛先を記録するのは大量のメモリが必要になる上に、検索時にルータに大きな負担がかかります。

そういった負担を無くす上でも、デフォルトルートが有効です。

転送先の宛先ネットワークが複数ある場合、どのネットワークへ転送すべきなのでしょうか？

この場合、ロンゲストマッチ(最長一致)のルールに従い、転送先のネットワークを決めます。
具体的にはネットワーク部が最も長く一致している宛先ネットワークに転送する仕組みです。