第6章 データをまとめて扱う配列
6.1 配列の基本
プログラムを行う上で、たくさんのデータを扱いたい場合もあります。例えば100件のデータを扱う場合を考えてみましょう。これまで学習してきた知識を使うと、100件のデータを変数に記憶させて利用するというソースコードを書くことになります。
上記のように変数を100個用意してプログラムを書くことができますが、実際に変数を100個用意したソースコードは内容が煩雑になり読みにくいものになってしまいます。このような大量のデータをひとまとめで扱いたい場合に、「配列(はいれつ)」という機能が用意されています。
まずは配列とはどういうものなのか知ることから始めましょう。
6.1.1 配列とは
配列は「配列変数」を略した言い方で、変数と同じようにデータを入れて扱うものになります。簡単に言うと、「変数を複数くっつけて並べてたもの」です。
変数が「1つの箱を1つの名前で1つのデータ」しか扱えなかったのに対して、配列変数は「複数の箱を1つの名前で複数のデータ」を扱えます。
図 6.1.1: 変数と配列変数のイメージ
上記の図6.1.1から分かるように配列を利用することで扱うデータが増えても、変数でばらばらに管理するよりもまとめて管理できるので大変便利です。
配列のイメージは段がある収納ボックス、棚、タンスなどをイメージするといいかもしれません。1段目にはタオル、2段目には肌着、3段目には・・・と関連するものを1つの枠組みで管理できることが配列と同じになります。
また収納ボックスには1段目、2段目・・・と収納位置が決まっているように、配列ではそれぞれのデータのことを「要素(ようそ)」と呼び、各要素を識別する名札のような「キー(添え字)」で格納位置の管理を行います。
使いたい要素(データ)はこのキーを利用して扱うことが、配列の重要なポイントです。
6.1.2 配列の名前の付け方
配列も変数と同じように、名前を付ける必要があります。以下の命名規則に従えば自由に名前をつけることができます。この命名規則は変数と同じです。
配列の命名規則- 配列名の先頭は必ず「$(半角ドル)」で始まる。
- 使用できる文字は「半角英数字」と「_(アンダーバー)」のみ利用できる。
- $の後の先頭文字に「数字」は利用できない。
- 英字の大文字、小文字は「区別される」ので、1文字でも違えば同じ単語名でも利用できる。
ポイント
- 配列に格納されているデータのことを要素、その要素をキー(添え字)と呼ぶ名札で管理する。
- 配列名には変数と同じ命名規則がある。
名前の付け方キャメルケースについてこれまでのPHPプログラムのファイル名の付け方で、「helloWorld.php」のように始めは小文字、単語の区切りで大文字にする命名方法を「キャメルケース(camel case)」と呼びます。キャメル(らくだ)ケースと呼ぶのは、繋がった各単語の頭文字がラクダのこぶのように見えるからです。
業務で開発を行う場合は、変数名やファイル名の命名規則は厳格に
決められていることが多いのでそれに従ってください。
次の節から具体的な配列の使い方を説明していきますので、配列のイメージと名前の付け方をしっかり覚えておいてください。