第4章 PHPプログラムの基本

4.7 echoやprintを用いてブラウザへ出力する

これまでのプログラムではWebブラウザへ出力するために「echo」という命令文を利用して行いました。
その仕組みとして、echoの後ろに記述した文章(文字列)がWebブラウザに送られ、結果としてその文章(文字列)が表示されることは確認できました。
Webブラウザへ出力する場合には、必ずechoのような出力命令文を使う必要があります。

書式:出力命令文

Webブラウザへ出力する代表的な命令文には「echo文」の他に「print文」があります。両者の違いはecho文はカンマで区切れば複数のメッセージを繋げて表示してくれるのに対して、print文は1つのメッセージしか表示できないことです。また、ほんのわずか(誤差程度)ですがechoの方が処理が速い仕様になっています。

凡例:出力命令文

「凡例:出力命令文」の1~3行目は、上から順にecho文を使って「文字列」、「数値」、「2つの文字列(右側はHTML言語付き)」を出力し、4行目はprint文を利用して「文字列」を出力しています。
文字列には「” “(ダブルクォーテーション囲み)」と「’ ‘(シングルクォーテーション囲み)」と2つあります。この2つの用途には明確な違いが存在しますが、その具体的な説明は次章で行いますので、ここでは文字列を表すには2種類の記述方法があることを覚えておいて下さい。

PHPは出力命令文に支えられている

echoやprintの出力命令文は、ただの固定メッセージを表示するためだけのものではありません。この出力命令文がないと、PHPプログラミングから何1つWebブラウザへ結果を表示することができないのです。
学習が進むと、Webページの入力フォームからデータを受け取ってから内容をチェックして、その結果を判断して表示させたりと、PHPでしか操作できないことが増えてきます。
まだ出力命令文の重要性は理解し難いかもしれませんが、PHPではなくてはならない機能だと覚えておいて下さい。

では早速、複数のメッセージをWebブラウザに表示するプログラムを作成してみましょう。

複数のメッセージをWebブラウザで表示するプログラム

echo文やprint文を利用して、複数のメッセージとHTML言語も一緒に出力してその結果をWebブラウザで確認してみましょう。

ソース・フォルダー: myproj_intro/ch04
パッケージ: multiplePrint.php
アクセスURL:http://localhost/myproj_intro/ch04/multiplePrint.php

multiplePrint.php

実行結果

解説

echoまたはprint文を使うとWebブラウザに表示させるデータ(文字列)を出力できます。また、HTML言語も同時に出力することも可能です。
7行目はこれまでのようにメッセージを出力させています。

8行目は通常のメッセージにプラスしてHTML言語である「<br >(改行)」タグを一緒に出力させています。これは次に出力される文字列を改行させることができます。

9行目も8行目のようにメッセージと<br>タグを出力させています。しかし今回は<br>タグを2つ出力しているので、次に表示する文字列を改行し、さらにもう1行改行することができます。

10行目もメッセージを出力させています。

echoやprint文を使って<br>タグを出力した場合のイメージは、図4.7.1を参考にしてください。


図 4.7.1:出力した文字列をHTMLで改行するには<br>を利用する

ポイント
  • PHPプログラムからWebブラウザへ出力する場合は、echo文やprint文の出力命令文を利用する。
  • 出力命令文はメッセージだけではなく、HTML言語も出力することもできる。
  • PHPプログラムからの出力文字を改行したい場合、一緒に<br>タグを記述する必要がある。
ソースコードのインデント(字下げ)について

これまでのソースコードは見やすくするために、わざとずらして書いています。このことを「インデントを行う(字下げする)」といいます。
インデントは半角スペースで行ってもいいですが、一般的にはタブ(Tabキーを利用)を利用して行います。全角スペースは利用できないので注意してください。

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